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有機(オーガニック)加工食品に関する基本方針について

有機加工食品(以下有機食品)の製造にあたり、日本食品製造合資会社(以下当社)は下記の行動指針に則り製造(製造受託を含む)及び販売し、消費者及び取引様と共有することとします。

有機食品の製造・販売の社会的意義(パーパス)

有機食品は、農薬や化学肥料の使用を低減する事によって、環境汚染を低減させ、持続可能な農業及び環境保全の推進に有益であると当社は考えます。名前の由来の通り、有機食品は有機物(例えば牛糞などのたい肥)を肥料として栽培する方式が主たる目的であり、無農薬栽培とは異なり、作物別に使用できる農薬が定められ、農薬の使用も認められています。一般的に、農薬に対する消費者のイメージは化学物資又は有害物質として認識されていますが、有機栽培で使用が許可されている農薬の例としては食品由来(食酢やでん粉)、自然界に存在するミネラル類(生石灰)、又は植物(菊、ハーブ、きのこ)由来の除虫剤などの伝統的な農薬が多く、人への安全性も高く、環境負荷も少ないものが選ばれています。また、有機栽培では、慣行農法からの化学肥料や化学由来の農薬が混入しないよう、基準や仕組みなどを設けており、それらをルール化し、できるだけ意図しない混入(以下コンタミ)を低減させる努力をしています。これらの基準や仕組みとおりに栽培や製造した食品のみが有機認証を得る事ができ、そのため消費者は、有機食品は安全且つ安心できる食品として認知しています。環境破壊により異常気象が頻発している昨今こそ、当社が有機食品の製造・販売に注力し、少しでも環境保全及び持続的社会に寄与できる事に意義があると考えます。

有機食品等に関する当社の考え方

農産物加工品において、100%何かを保証する事は不可能であると当社は考えます。有機栽培が進んでいるヨーロッパでも有機栽培は圃場全体の10%程度であり(2023年時点)、日本は1%以下で、有機圃場は常に慣行圃場に囲まれている状況にあります。特に露地栽培(ハウスや野菜工場ではなく、野外で栽培される作物)においては、風、雨、虫、動物、道路、人、農機具などが有機圃場と慣行圃場とを無差別に行きかっており、特に日本においては、耕作面積の99%以上が慣行栽培である事から、有機圃場は常に慣行圃場に隣接しており、完全なコンタミの回避は極めて困難です。遺伝子組み換えについても、100%保証する事は不可能であり、有機食品においても化学物質の残留をゼロにする事も極めて困難です。また、近年では検査機器の精度が飛躍的に改善されている事から、有機食品における残留農薬の検出件数は増えており、今後も精度が高まるにつれ、残留農薬の検出頻度は高まると推測されています。よって、当社においては、有機食品であっても、ごく微量の遺伝子組み換え作物の混入や残留農薬の混入は不可避であると認識しており、この実態と認識を消費者と共有しなければならないと考えます。 有機食品はより良いチョイスではあるが、絶対的な保証をする仕組みではなく、仮に有機食品に残留農薬が検出されても、国が定める健康被害に達する残留量でなければ、販売を妨げる制度ではありません。また、仮に有機食品に残留農薬が検出されたとしても、その生産者を非難する事があってはならないと考えます。制度の仕組み通りに栽培をしても、前述の通り日本においては、コンタミは発生しやすく、一生懸命1%以下の有機栽培の取組をしている生産者を責めてしまうと、さらに有機栽培を希望する生産者は減ってしまうためです。一方で、コンタミを回避するために、制度を厳しくする事に対しても当社は反対です。有機栽培には費用と時間がすでにかかる上に、制度をさらに厳しくすると、より多くの生産者は有機栽培を敬遠するようになってしまう上、コストも上昇してしまいます。そうすると、有機圃場割合は現状より減ってしまい、耕作規模も縮小してしまい、現状よりもさらにコンタミが起きやすい環境になって、負のスパイラルにおちいってしまいます。コンタミを回避する好循環(良いスパイラル)は、有機圃場の耕作割合を拡大させ、圃場規模を拡大する事により、コンタミが発生しづらい圃場環境にする事にあると考えます。

有機食品等に関する行動指針

前述により、当社においては、当社製品及び受託製造品に遺伝子組み換え作物、放射線、残留農薬などが検出されても、それが健康に影響を及ぼさない、国が定める基準値以下であり、法令に違反しておらず、行政機関等も一般告知しないと判断していれば、自主的なリコールや告知など一切の措置を講じない事を、事前に消費者及び取引先様の皆様と共有し、実行します。

結語 「完全」ではなく、「より良い」を目指して

有機食品や有機栽培の制度は完璧な安全を保証する制度ではなく、「より良い」を実現するための仕組みであると当社は認識しています。よって、有機食品は絶対的に安全で安心であると広告したり主張するのではなく、ありのままの実態と情報を購入者の方々と共有し、有機食品は「より良い」選択の一つであるという共通認識を広められるよう努めます。

2024年2月吉日
日本食品製造合資会社